富士宮 しぐれ焼き【完全公開】焼き方と特徴
実は地元民にとって富士宮やきそば以上に、思い入れやこだわりの強いものが富士宮風お好み焼きであり、富士宮しぐれ焼きです。これまで富士宮やきそばばかりフィーチャーされてきましたが、これからは一歩踏み込み、富士宮しぐれ焼きに大注目。富士宮やきそばと富士宮風お好み焼きの神コラボを楽しんでください。
富士宮 しぐれ焼き(ノーマルタイプ調理例)
重ね焼きタイプの富士宮風お好み焼きがベースになります。今回の紹介画像はイカや玉子などのトッピングをしない場合です。
1.まず生地を鉄板に円形にうすく広げる。
2.切ったキャベツやネギなど具材を重ねてしばらく焼く。
3.空いたスペースで富士宮やきそば特有の「むし麺」を焼く。
4.焼きそば(むし麺)を重ねて乗せる。
5.「肉カス」をのせて焼く。「肉カス」は富士宮の食文化を語るうえではハズせない特有の食材。
6.紅生姜などをのせる。(写真手前が富士宮しぐれ焼き。後ろ3つは富士宮風お好み焼き・豚肉トッピング)
7.焼き具合をみて生地を上からまわしかける。
8.タイミングを見極めて一気にひっくり返します。
9.焼き手の技量や人柄があらわれるコテさばき。上手な人は動きが淀みなく美しい。
返した後、焼き上げながら、コテで平たくします→<ポイント>解説
10.焼けたらソースを刷毛でしっかり塗りつける。
<完成>
富士宮やきそば同様に削り粉(鰯や鯖)と青海苔粉を振りかけて出来上がり。
見た目は、ほぼ富士宮風お好み焼き。とても残念なのは写真映えしないところ。味わい優先、飾り気のないご当地グルメだと受けとめてください。
「しぐれ焼き」名の由来は、焼く音が雨音(しぐれ)に似ているから。焼き上がると麺が時雨模様に入るからなど幾つかあります。
<ポイント>
富士宮しぐれ焼きと富士宮風お好み焼きは、コテ(ヘラ)で押さえつけ全体を平らに形成します。フチより中央部が少し盛りあがるよう湾曲させるのが特徴。同系である重ね焼きタイプの広島風お好み焼きと違う点です。
富士宮やきそばが中から登場。富士宮やきそばのモチモチ感が相乗した独特の世界、ボリューミーで食べ応えがあります。
富士宮やきそばと富士宮風お好み焼きを別々に注文すればいいじゃんと思うのは早計。しぐれ焼きならではの混然一体の味覚は別物です。
しぐれ焼きにしろ、富士宮やきそばにしろ。作り方はお店や焼き手によって少しづつ違います(けっこうアバウト)。レシピ的というよりもセンスや流儀のように感じます♡
富士宮っ子に言わせれば、富士宮やきそばは基本的に家で作って食べるもの。(家に鉄板がなくて作れない)富士宮風お好み焼きは外で食べるものだそう。そのため、お好み焼きの店選びや美味しさにシビアで一徹な人たちがたくさんいます。
備考
●広島風お好み焼き(重ね焼きタイプ、焼いた生地の上に具材をのせる、麺(焼きそば・うどん)が入る)。
●関西風お好み焼き(混ぜ焼きタイプ、生地と具材を混ぜ合わせる、麺を加えたものがモダン焼き)。
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